先月、沖縄長谷寺にて行われた「チベット仏教からの展望 ニチャン・リンポチェ師&吉村均氏 沖縄記念講演会」について、実家の東京江戸川区にある泉福寺が発行している泉福寺便りに寄稿しました。

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先日2月16日、ご縁あってチベットの古訳ニンマ派の僧侶ニチャン・リンポチェにお越し頂き、沖縄長谷寺にて法要を執り行い、中村元東方研究所の吉村均先生にもご講演頂きました。

チベットに仏教が伝わったのは日本と同時期であり、特にニチャン先生のニンマ派宗祖である聖者パドマサンヴァバと真言宗の空海上人とは殆ど同時代の方でもあります。そのため、真言宗の拠り所となる大日経や金剛頂経もチベット古訳派の教えに含まれているのです。

ニチャン先生は85歳になられ、日本に来られて既に40年ほどたちます。高野山大学の学長でもあった中川善教先生が大日経の研究のため、ダライ・ラマ法王に僧侶の派遣を要請したことがきっかけで来日されました

チベット仏教は日本と同じく大乗仏教です。教えの基本はかつての日本で学ばれていたものと同じで次のようなものです。

永遠ともいえる過去世より六道(地獄・餓鬼・修羅・人・天)を輪廻しつづける衆生は生老病死や様々な潜在的な執着による苦しみの中にあります。

お釈迦様のように過去世で善業を積んできた人はある時、あらゆる衆生を救済する仏陀になるために菩提心(悟りへの決意)を起こし、福徳と智慧を限りなく集める六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)によって衆生を利益し続ける菩薩となります。

それが大乗仏教という道です。

衆生を救うためには自身がより高い仏陀の境地に近づかなければ根本的な救いの手立てを使えません。そのためにより早く悟りを開く道があり、それが密教です。しかし、近道には危険も多く、高い福徳と智慧を備えたごく限られた者にしか通れない道だともいわれています。

日本とチベットの教えがかなり共通していることに、ニチャン先生も来日当初は相当に驚いたようです。

さて、長谷寺での法要は初めての方も含めて40名ほどが集まり、特に土地神様や餓鬼や彷徨う霊を供養する野外での護摩供養、そして仏菩薩を供養する法要が本堂で行われました。

日本では馴染みのないトルマという岡本太郎の太陽の塔のような供物やバターランプもありました。

護摩壇に大量の薬草やお香を入れて焚き、途中で参加者全員で食べ物など供物を投げ入れて般若心経を唱え、ニチャン先生の掛け声で皆でお米を撒きました。

「キーキー!ソーソー!チャオ!ハギャロー!」ご縁に感謝です。合掌。